代理店教育、商品研修を効率化!お知らせ+アンケート活用術

法人向けビジネスにおいて、代理店ビジネスは売上拡大の戦略としてよく取り上げられますが、実際には簡単ではありません。
その理由は、代理店が複数の製品を取り扱っている中で、各製品の理解を深めない限り、積極的に販売してくれないからです。したがって、自社製品の理解を深めてもらい、能動的に製品を販売してもらうためのノウハウが必要です
本記事では、代理店向け教育コンテンツの目的設計から企画、さらに代理店への効果的な周知とコンテンツ評価の方法まで、一連のステップを解説します。
B2BコラボレーションツールCommuRingには、代理店教育コンテンツ発信に必要な機能が実装されておりますので、CommuRingの活用イメージもご紹介します。
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目次
販売代理店に代理店教育をする目的の設定
代理店教育をする目的を明確にする事で、事業部に課されたKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)をもとに、届けるべき人に適切かつ効果的な教育コンテンツを提供する事が出来ます。
今回はイメージしやすくするために、架空の企業と担当者を設定してみますが、皆様もご自身置き換えて目的を設定してみてください。
■企業設定(例)
- 株式会社A:総合ITメーカーA社
- ビジネス形態:ネットワークの領域において、ネットワーク機器の開発、販売から、ネットワーク監視のクラウドサービスまで総合的にIT商材を開発・販売している
- 担当者:パートナービジネス部マネージャーのAさん
- 企画者:パートナービジネス部クラウドサービス部リーダーBさん
- 対象者:X
代理店教育の目的の設定
本記事では、マネージャーであるAさんがリーダーのBさんに企画作成を依頼するパターンを想定して進めていきます。Bさん自身が目的の設定から実施までを担うケースもありますが、今回はAさんが目的を設定し、それに基づいてBさんが教育コンテンツを企画する流れで考えてみましょう。
Aさんとしては、代理店向け教育コンテンツの強化が必要だと感じており、目的として設定すべきと考えられるものを全てあげてみる事にします。
■想定される目的の例
- ①新しくリリースされたAIトラフィック監視ツールの認知度を高めたい
- ②会社の戦略として推進しているネットワーク機器管理ツールの販売を強化したいが、現状売れ行きが伸び悩んでおり、販売を担ってくれるパートナーの育成が不可欠である
- ③解約防止のため、最も売上を上げている主力製品のユーザー数をさらに拡大したい
今回は、パートナービジネス部として特にチャレンジが必要とされる「②の目的」に焦点を当てて取り組んでいくことにします。もちろん、やっぱり「①の目的」の施策にリソースをかけるべきだ。と方向転換するのも問題ではありません。目的は常に事業の状況に応じて柔軟に見直していくべきものですが、企画の目的や実施内容をきちんと記録しておくことで、過去のノウハウを活かしながら、次回以降の企画をより効率的かつ効果的に進めることができます。
目的:ネットワーク管理ツールの販売パートナーのアクティブ化
- 現状の課題:会社の戦略として推進しているネットワーク機器管理ツールの販売を強化したい
- 既存販売パートナー社数:2,000社
- プロジェクトメンバー:パートナービジネス部クラウドサービス部
- 期間:2025年6月~2025年12月
- 予算:100万円
代理店教育の対象者の設定
企画の作成依頼をAさんから受けたBさんは、実際に教育施策の企画を組み立てていくことになります。
今回の目的である「ネットワーク管理ツールの販売パートナーのアクティブ化」については、『ターゲットとなるパートナー企業が何社なのか?』『どのような企業・担当者層が講座を受講することで効果があるのか?』など、まだ曖昧な部分が多く残っています。
教育コンテンツは、対象者の知識レベルや役割によって必要な内容が大きく異なるため、できる限り具体的に対象を設定することが重要です。もしデータがあればそれを活用し、なければ仮説を立てて進めていきましょう。
パートナービジネス上の課題をもとに対象者を洗い出していくと、より効果的です。
- 対象者①:中小企業のパートナー営業担当
- 課題:数年前から中小企業パートナーによる販売が減少している
- 想定される原因:以前は営業担当者がプリセールスの段階で手厚くサポートしていたが、現在は人手不足により提案支援が十分に行えていないため、代理店側での提案活動が停滞していると考えられる。
- 対象者②:大企業の顧客営業担当、決裁者、エンジニア
- 課題:案件単価の高い大企業における案件数が少ない
- 想定される原因:競合製品との比較において、自社製品の優位性を十分に訴求できていない。さらに、企画提案書の候補に挙がるためには、企業内の関係者全員に製品の存在や価値をより深く理解してもらう必要がある。
代理店教育の企画例
対象者①と対象者②を比較した結果、対象者①では、リソースが不足しているプリセールス支援の内容を教育コンテンツとして活用できるため、新たにコンテンツを一から作成する手間を省くことができます。
さらに、営業担当者が教育コンテンツを利用することで、プリセールスの支援がなくても自立的に提案・販売を進められる可能性が見込めるという点も大きなメリットです。対象者①を優先して取り組むことにします。企画の目的の概要の資料をアップデートしましょう。
1. 目的・背景
- 目的:ネットワーク管理ツールの販売パートナーをアクティブ化し、提案・販売活動を促進する。
- 現状の課題:自社戦略としてネットワーク機器管理ツールの販売強化を推進しているものの、販売実績が伸び悩んでおり、製品を販売してくれるパートナーの育成が急務となっている。
- 対象者:中小企業のパートナー営業担当者(約800社/1,000名を想定)
2. 対象者選定と理由
- 対象者選定:中小企業パートナー営業担当(対象者①)と、大企業の営業・決裁者・エンジニア(対象者②)を比較した結果、対象者①への取り組みを優先。
- 背景と理由:
中小企業パートナーによる販売が減少している主な原因は、人手不足により技術的な支援(プリセールス支援)が行えていないことが挙げられる。
教育コンテンツを通じて営業担当者が製品理解を深めることで、プリセールス支援がなくても自立的な提案・販売が可能になると見込まれる。
また、対応しきれていないプリセールス支援の内容を教育コンテンツに転用でき、新規制作の工数を削減できることもメリットである。
以上の点から、即効性・効率性の高い施策として、対象者①にフォーカスすることが最も効果的と判断。
3. 実施体制・スケジュール・予算
- プロジェクト体制:
主管部門:パートナービジネス部、クラウドサービス部
協力部門:技術支援チーム(製品知識の提供、講師協力 等) - 実施期間:2025年6月 ~ 2025年12月
- 予算:100万円(教育コンテンツの企画・制作・配信費用 等)
販売代理店向けの教育コンテンツの企画
実際に教育コンテンツを作って行くのにあたり、具体的にリリースする教育コンテンツやスケジュールなどを作っていきます。
基本情報の設定、予算の利用方法
まずは、タイトルや概要を決めます。実際にどんなプラットフォームを利用して教育コンテンツを見てもらうようにするかも考慮します。予算も少し出ているので、予算の使い道を決めてみましょう。
- タイトル:【提携代理店限定】販売強化プログラム:ネットワーク管理ツールXXX編
- コンテンツ形式:動画
- 配信プラットフォーム:代理店向けポータルサイト
- コンテンツ評価:アンケート
- 受講フロー:PR→タスク依頼→ポータルでのCP発信→受講→アンケート評価
- キャンペーン:初回受講者全員に、Amazonギフト券1,000円分をプレゼント!販売強化プログラム ネットワーク管理ツールXXX編
- 利用予算:100万円
- キャンペーン期間:2025年6月~12月
タイトル、スケジュール、役割の設定
対象者(中小企業のパートナー営業担当)はすでに明確になっており、過去にプリセールス提案時に効果があったコンテンツも把握できているため、それをベースにリリースする教育コンテンツのラインナップを決定しましょう。
No | タイトル | 配信予定 | 担当者 |
---|---|---|---|
01 | ネットワーク管理ツールXXXとは? ~概要と導入効果~ | 6月上旬 | Bさん |
02 | 競合製品との違いを理解する ~勝てるポイント解説~ | 6月中旬 | Cさん |
03 | よくある課題とユースケース ~中小企業編~ | 6月下旬 | Bさん |
04 | 提案前に確認すべき3つのポイント | 7月上旬 | Dさん |
05 | 製品デモ動画 ~基本操作と使い方~ | 7月中旬 | Cさん(技術) |
06 | よくある質問FAQ集と切り返しトーク | 7月下旬 | Bさん |
07 | 提案シナリオ別トークスクリプト | 8月上旬 | Bさん+営業チーム |
08 | 初回商談の進め方と事前準備のコツ | 8月中旬 | Dさん |
09 | 成功事例紹介 ~実際に成果が出た提案~ | 9月上旬 | Bさん+パートナー事例協力 |
10 | 振り返りと次のアクション ~自走できる営業へ~ | 9月中旬 | Bさん |
■ スケジュール概要
6月~9月:毎月2~3本ずつリリース(計10本)
10月~12月:受講進捗フォロー期間(再案内/キャンペーン活用)
12月末:アンケート集計・成果分析・改善計画立案
■ 主な役割分担
Bさん(企画リーダー) コンテンツ構成設計、台本作成、全体進行管理
Cさん(技術担当) 製品デモ、技術的な監修・録画対応
Dさん(営業支援) 実務視点での内容チェック、営業的切り口提供
Dさん(営業支援) 実務視点での内容チェック、営業的切り口提供
Eさん(サポート) ポータル配信設定、受講進捗確認、問い合わせ対応
代理店教育コンテンツの具体的な発信フロー
御社が運用しているポータルサイトや、コラボレーションツールを活用することで、代理店に向けた教育コンテンツをより効率的かつ効果的に発信することが可能です。
ここからは、代理店への教育コンテンツ配信における主要な手段についてご紹介します
まず、「期限付きのタスク依頼」によって受講を明確なToDoとして認識してもらい、さらに「お知らせ機能」を活用して内容を継続的に周知します。その後、「アンケート機能」により受講者のフィードバックを収集し、「アンケート結果の分析」を通じて、教育コンテンツの継続的な改善につなげるという一連の流れです。
- タスク依頼機能を利用した販売代理店への一斉講座受講依頼
- お知らせ機能を利用した販売代理店への一斉情報周知
- 受講後のテストの様な機能として、アンケートを設置
- アンケート機能を利用した教育コンテンツの評価
また、当社が提供するB2B向けコラボレーションツール 『CommuRing(コミュリング)』 を活用することで、これらの情報発信・収集・分析を一元的に行うことが可能です。各手法ごとに、CommuRingを活用した具体的な活用イメージも併せてご紹介します。
タスク依頼機能を利用した販売代理店への一斉講座受講依頼
タスク依頼機能を活用することで、一方的な情報発信ではなく、受講者にとって「ToDo(やるべきこと)」として明確に認識されやすくなります。 これにより、「何となく教育動画が送られてきたけど、つい後回しにしてしまう」といった状況を防ぎ、受講率の向上につながる効果が期待できます。
講座受講依頼の概要を設定
タスク依頼機能を利用して講座受講を依頼する際は、目的や内容が明確で、受講者にとって必要性が伝わるように構成することが大切です。以下のような情報を整理して依頼を作成しましょう。
- タイトル:ネットワーク管理ツールXXXの講座受講依頼
- 講座名:01. ネットワーク管理ツールXXXとは? ~概要と導入効果~
- 概要:この講座では、ネットワーク管理ツール「XXX」の基本的な機能や特長に加え、実際の導入企業で得られた効果や活用事例を紹介します。パートナー企業が顧客に提案する際の「初期説明」「導入メリットの訴求」に役立つ内容となっています。
- 公開日:2025年6月1日
- 受講期限:2025年6月30日まで
- 所要時間:約20分(動画)
- 視聴方法:添付ファイルからご視聴お願いします。
受講後にアンケートにご回答いただき、依頼の完了をお願い致します。
CommuRingを活用した受講依頼
タスク依頼機能を利用して講座受講を依頼する際は、目的や内容が明確で、受講者にとって必要性が伝わるように構成することが大切です。以下のような情報を整理して依頼を作成しましょう。
お知らせ機能、メール通知を利用した販売代理店への一斉情報周知
お知らせ文は、単なる案内にとどまらず、受講の目的やメリットを明確に伝えることで、受講率の向上につなげることができます。以下のような要素を盛り込んで設計しましょう。
教育コンテンツを確実に代理店担当者へ届けるには、一方的な発信ではなく、見落とされず、行動を促せるような工夫が求められます。ここでは、お知らせ機能やメール通知を活用して、受講率を高めるための情報周知のポイントを紹介します。
お知らせの内容や概要の設定
お知らせ文は、単なる案内にとどまらず、受講の目的やメリットを明確に伝えることで、受講率の向上につなげることができます。以下のような要素を盛り込んで設計しましょう。
■お知らせの構成例
【新講座公開】ネットワーク管理ツールXXX 販売強化プログラム開始のお知らせ
平素より大変お世話になっております。
このたび、販売パートナー様向けに、ネットワーク管理ツール「XXX」の
販売強化を目的とした新しい講座を公開いたしました。
本講座では、提案の現場でよくある課題や成功パターンをもとに、
製品の訴求力を高めるためのポイントをわかりやすく解説しています。
- 【受講期間】2025年6月1日 ~ 2025年6月30日
- 【受講方法】皆様のタスク依頼に届いている『ネットワーク管理ツールXXXの講座受講依頼』から、ご受講お願い致します。
- 【所要時間】約20分
- 【受講特典】アンケート回答でAmazonギフト券1,000円分を進呈!
ぜひこの機会にご受講いただき、提案活動の強化にお役立てください。
CommuRingのお知らせ活用イメージ
CommuRingでは、お知らせを全体公開だけでなく、特定の人にだけ届けることも可能です。今回のように一部の人を対象とした受講特典についても、閲覧範囲を制限すれば限定的に共有できます。さらに、お知らせを公開するとメール通知が届くため、情報を確実に届けられます。
アンケート機能を利用した教育コンテンツの評価
教育コンテンツの効果を可視化し、次回の改善に活かすためには、受講者からのフィードバックが重要です。一般的には Microsoft Forms や Googleフォーム などの無料アンケートツールを活用し、作成したアンケートURLをタスク依頼機能やお知らせ機能に添付して案内する方法が広く利用されています。ここでは、実際のアンケート設計のポイントと、具体的な依頼方法について紹介します。
アンケートの作成、依頼方法
アンケートは、講座の内容や視聴体験、実際の業務への活用度など、多角的に評価できるように設計することが重要です。以下は、実際に使用できるアンケートの設問例です。
▼アンケート項目(例)《所要時間:2〜3分》
今回の講座「ネットワーク管理ツールXXX編」の内容は理解しやすかったですか? (5段階評価:非常にそう思う〜全くそう思わない)
講座の難易度は適切でしたか? (5段階評価:ちょうどよい〜難しすぎた)
今回の講座で、必要な情報は得られましたか?(満足度) (5段階評価:非常に得られた〜まったく得られなかった)
現在、ネットワーク管理ツールXXXに関する案件をお持ちですか? (選択式)
- すでに進行中の案件がある - 近く提案予定の案件がある - 案件はないが提案の機会はありそう - 今のところ予定なし
提案活動にあたって、どのような点がハードルになっていますか?(複数選択可)
- 製品知識が不足している - 競合との違いがわかりづらい - 顧客ニーズとのマッチングが難しい - 価格やコスト面での調整が難しい - その他(自由記述欄)
特に参考になった内容や印象に残ったポイントを教えてください。 (自由記述)
今後、取り上げてほしいテーマや製品があれば教えてください。 (自由記述)
その他、ご意見・ご要望があればご記入ください。 (自由記述)
今回の受講特典「Amazonギフト券(1,000円分)」のプレゼント応募を希望されますか?
(選択式) - 希望する - 希望しない
CommuRingを活用したアンケート作成イメージ
CommuRingでは、選択式やチェックボックス、自由記述など、用意された部品(コンポーネント)を組み合わせることで、簡単にアンケートを作成できます。作成したアンケートは依頼に添付でき、受講後にスムーズに回答してもらうことが可能です。
アンケート結果の分析、教育コンテンツの改善
教育コンテンツをより効果的なものにするためには、受講後のアンケート結果を分析し、内容の改善につなげていくことが重要です。受講者の声から見えてくる課題やニーズを把握することで、次回以降のコンテンツ企画や設計に反映することができます。
例えば、「内容が難しかった」「もっと事例を知りたい」「導入効果がイメージしにくい」といった声があれば、次回の動画では表現や構成を見直したり、事例紹介の時間を増やしたりといった対応が可能です。また、「提案中の案件がある」「実際に提案してみたいがハードルを感じている」といった営業現場のリアルな状況も把握できるため、コンテンツの内容だけでなく、フォロー施策や支援体制の見直しにもつなげることができます。
集計結果は定期的にプロジェクトメンバーでレビューし、今後の改善計画に反映させましょう。
まとめ
代理店ビジネスで成果を出すためには、単に製品を提供するだけではなく、代理店が自社製品をしっかり理解し、自信を持って販売できる環境を整えることが重要です。
本記事では、教育コンテンツの目的設定から企画・制作、代理店への周知、そして理解度の確認やフィードバックの方法まで、一連の流れをご紹介しました。
さらに、CommuRingを活用することで、これらのプロセスをより効率的かつ効果的に運用できることもお伝えしました。
今後の代理店施策において、教育コンテンツの整備と継続的なコミュニケーションの仕組みづくりが、売上拡大の鍵を握るはずです。ぜひ、自社の状況に合わせて取り入れてみてください。
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執筆者情報:
ユニリタCommuRingチーム
株式会社ユニリタ DXイノベーション部
取引コミュニケーションツール「CommuRing」のプロモーション担当チームです。
コミュニケーション情報を蓄積・共有・活用するシステムに長年携わってきたメンバーが、取引先・多拠点の管理に課題を持つ方に、役立つ情報をわかりやすく発信することを心がけています。