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ESG経営を企業成長にどう活かすか~実例から読み解く戦略~

サプライヤーポータルの意味と役割とは?製造業における活用方法

近年、企業経営において「ESG」(Environment:環境、Social:社会、Governance:企業統治) という視点が重要視されています。これは単なるCSR(企業の社会的責任)活動の延長ではなく、企業の持続可能性と長期的な成長戦略の核をなすものとして広く認識されています。

短期的な利益追求にとどまらず、環境・社会・企業統治の要素を経営戦略に深く組み込むことで、企業は着実に成長し、結果として長期的な企業価値を飛躍的に向上させることが可能です。本記事では、「これからESG経営を始めたい」と考える企業向けに、ESGの重要性、具体的な戦略、そして実際の企業事例をご紹介します。

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ESG経営の重要性と企業成長の関係

ESGへの取り組みは、企業が直面する様々なリスクを軽減するだけでなく、新たな事業機会を創出し、革新を促進する原動力ともなります。例えば、環境問題への対応は、再生可能エネルギー技術の開発や省エネ製品の提供といった新市場の開拓につながります。また、社会課題への貢献は、多様な人材の獲得や従業員のエンゲージメント向上に繋がり、企業の生産性や創造性を高めます。さらに、強固なガバナンス体制は、不祥事のリスクを低減し、企業に対する投資家や社会からの信頼を揺るぎないものにします。

このESGの概念は、国際社会が共通の目標として掲げる「SDGs」(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とも密接な関係にあり、現代のビジネス環境において企業が競争力を維持・向上させるための不可欠な要素となっています。

ESGとSDGs:目標と手段の関係性

ESG経営の重要性を理解する上で、SDGs(持続可能な開発目標) との関係性を把握することは不可欠です。これら二つの概念は、持続可能な社会の実現を目指すという点で共通していますが、その役割には明確な違いがあります。
簡潔に言えば、SDGsが「目指すべき目標」 であるのに対し、ESGは「その目標を達成するための具体的な手段や評価軸」 と位置づけられます。

SDGs(Sustainable Development Goals)

国連が2015年に採択した、2030年までに達成を目指す17の国際的な目標です。貧困の撲滅、気候変動への対策、ジェンダー平等など、地球規模の持続可能な社会を実現するための広範な課題と具体的なターゲットが示されています。いわば、「何を達成すべきか」という人類共通のゴールを明確にしたものです。

ESG(Environment, Social, Governance)

企業が持続的に成長するために考慮すべき3つの非財務要素を指します。企業が環境にどう配慮しているか(E)、社会的な責任をどう果たしているか(S)、そして健全な企業統治がなされているか(G)という視点から、企業の持続可能性や社会的責任を評価し、経営に組み込むことを促します。これは、「どのように目標を達成するか」という企業経営の実践的な側面を示すものです。

SDGsが「壮大なビジョン」や「共通の言語」を示す一方で、ESGはそのビジョンを実現するために企業が具体的に取り組むべき「行動指針」や「評価基準」を提供すると考えることができます。企業がESG経営を推進し、環境負荷の低減、社会課題への貢献、透明性の高いガバナンスを実践することは、結果としてSDGsの各目標達成にも大きく貢献できるという、役割を分担しつつ、互いに補完し合う関係にあります。

ESG経営を企業成長に活かすための基本戦略

ESG経営を単なるコストではなく、企業成長のドライバーとして機能させるためには、戦略的なアプローチが不可欠です。以下に、ESGを企業成長に活かすための主要な基本戦略を挙げます。

マテリアリティ(重要課題)の特定と経営戦略への統合

まず、自社の事業活動にとって特に重要度の高いESG課題(マテリアリティ)を特定することが重要です。これには、環境への影響、サプライチェーンにおける人権問題、データガバナンスなど、自社のビジネスモデルや業界特性に応じた課題を洗い出します。特定されたマテリアリティは、企業の経営戦略の根幹に組み込まれ、事業計画や投資判断に反映されるべきです。これにより、ESGへの取り組みが単発的な活動に終わらず、企業価値向上に直結するようになります。

具体的な目標設定とKPI(重要業績評価指標)による進捗管理

特定したマテリアリティに基づき、具体的かつ測定可能なESG目標を設定します。例えば、「2030年までにCO2排出量を〇%削減する」「サプライチェーンにおける児童労働ゼロを目指す」といった定量的な目標です。さらに、これらの目標達成に向けたKPI(重要業績評価指標) を設定し、定期的に進捗をモニタリングし、評価するPDCAサイクルを回すことが不可欠です。これにより、取り組みの実効性を高め、必要に応じて戦略を修正できます。

イノベーションと新たな事業機会の創出

ESG課題への対応は、しばしばイノベーションの源泉となります。環境負荷の低い製品開発、リサイクル技術の導入、社会課題を解決する新規サービスの展開などは、新たな市場の開拓や既存事業の競争力強化につながります。例えば、再生可能エネルギーへの投資や省エネ技術の開発は、将来のエネルギーコスト削減だけでなく、新しい収益源を生み出す可能性を秘めています。

ステークホルダーのエンゲージメントの強化

ESG経営では、株主だけでなく、従業員、顧客、サプライヤー、地域社会、NGOなど、多様なステークホルダーとの対話(エンゲージメント) を重視します。彼らの意見や期待を経営に取り入れることで、潜在的なリスクの早期発見や、より革新的で社会的な価値の高いソリューションの創出につながります。透明性の高いコミュニケーションは、企業の信頼性を高め、長期的な関係構築に寄与します。

情報開示の強化と企業価値への貢献

ESGに関する情報を積極的に開示することは、投資家からの評価を高め、資金調達の優位性につながります。統合報告書やサステナビリティレポートなどを通じて、環境・社会・ガバナンスに関する取り組みや目標、進捗状況を透明性高く報告することで、企業は社会からの信頼を獲得し、持続的な企業価値向上へと繋げることができます。これは、単なる情報公開に留まらず、企業のブランディングや優秀な人材の獲得にも貢献します。

これらの戦略を統合的に実行することで、ESG経営は企業の「守り」の側面だけでなく、「攻め」の側面からも企業成長を強力に後押しする戦略的なツールとなるでしょう。


実際の企業事例から学ぶESG経営の成功戦略

ESG経営は抽象的な概念として捉えられがちですが、具体的な企業事例を見ることで、その実践方法や成果をより深く理解できます。ここでは、日本を代表する企業がどのようにESGを経営戦略に統合し、成功を収めているかを見ていきましょう。

ソニー株式会社のサステナビリティに関する取り組み

ソニー株式会社は、単に優れた製品やサービスを提供するだけでなく、持続的な価値創造と長期的な企業価値向上を目指し、幅広いサステナビリティ課題に積極的に対応しています。これは、企業の存在意義そのものを社会貢献と結びつけ、事業活動を通じて地球と人々のより良い未来を築くという強いコミットメントに基づいています。製品のライフサイクル全体における環境負荷の低減から、サプライチェーン全体での人権尊重、そして多様な従業員が活躍できる職場環境の整備まで、多岐にわたる分野で具体的な目標を設定し、実行しています。

Purpose経営

ソニーグループは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」 というPurpose(存在意義) を経営の軸に据えています。このパーパスは、11万人を超える多様な社員の心を一つにし、同じベクトルに向かわせるための強力な指針となっています。個々の事業や製品開発においても、このパーパスが常に立ち返るべき原点として機能することで、持続的な価値創造と社会貢献が両立されています。Purpose経営を通じて、ソニー株式会社は企業としての存在意義を明確にし、社会からの共感と信頼を獲得しながら、長期的な成長を目指しています。

参照元:多事業・多国籍の11万人の社員の心を同じベクトルへ。 ソニーグループのPurpose経営 | CCL.

行動規範

ソニーグループは、すべての役員と社員が遵守すべき基本的な行動原則として「ソニーグループ行動規範」を定めています。この規範は、法令遵守はもちろんのこと、高い倫理観に基づいた行動を促し、多様なステークホルダーからの信頼を維持・向上させることを目的としています。例えば、人権の尊重(強制労働・児童労働の禁止、差別撤廃)、公正な事業活動(贈収賄の禁止、競争法の遵守)、情報管理の徹底(機密情報の保護、個人情報保護)、安全衛生への配慮、環境保護など、幅広い領域における責任ある行動が明記されており、グローバル企業として世界中で事業を展開する上で不可欠な、ガバナンスの基盤となっています。この行動規範は、ソニーの企業文化の根幹をなすものであり、持続可能な経営を実現するための重要な柱の一つです。

参照元:ソニーグループ行動規範 - Sony

長期環境計画「Road to Zero」

ソニーグループは、「2050年までに自社の事業活動および製品ライフサイクル全体における環境負荷をゼロにする」 という、長期環境計画「Road to Zero」を掲げています。この目標達成に向け、ソニーは5年ごとの具体的な中期目標を設定し、着実に環境活動を推進しています。例えば、製品の小型化・軽量化による資源投入量の削減、リサイクルしやすい製品設計、再生可能エネルギーの導入拡大、化学物質の管理徹底などが挙げられます。この「Road to Zero」は、ソニーが環境課題に対して長期的な視点と具体的なロードマップをもって取り組んでいることを示すものであり、環境(Environment)側面におけるESG経営の強力な推進力となっています。

参照元:長期環境計画「Road to Zero」 - Sony

トヨタ自動車株式会社のサステナビリティの課題、取り組み

トヨタ自動車は、ESGに基づく取り組みを経営の重要な柱として位置づけています。特に環境方針においては、長期的な視点と具体的な目標設定がその特徴です。

トヨタ地球環境憲章

トヨタは1960年代から環境への取り組みを継続しており、その思想の根幹となるのが1992年に策定された「トヨタ地球環境憲章」です。これは、環境に配慮した企業活動の基本姿勢を示したものであり、持続可能な社会の実現に向けたトヨタのコミットメントを明確にしています。この憲章は、事業活動のあらゆる段階で環境負荷の低減に努めること、環境技術の開発・普及に貢献すること、そして従業員一人ひとりが環境意識を高めることの重要性を説いています。まさに、トヨタの環境経営の原点ともいえるでしょう。

参照元:トヨタ地球環境憲章| サステナビリティ | グローバル | トヨタ自動車

トヨタ環境チャレンジ2050

トヨタは1960年代から環境への取り組みを継続しており、その思想の根幹となるのが1992年に策定された「トヨタ地球環境憲章」です。これは、環境に配慮した企業活動の基本姿勢を示したものであり、持続可能な社会の実現に向けたトヨタのコミットメントを明確にしています。この憲章は、事業活動のあらゆる段階で環境負荷の低減に努めること、環境技術の開発・普及に貢献すること、そして従業員一人ひとりが環境意識を高めることの重要性を説いています。まさに、トヨタの環境経営の原点ともいえるでしょう。

参照元:トヨタ地球環境憲章| サステナビリティ | グローバル | トヨタ自動車

Science Based Targets initiative(SBTi)から目標の認定・承認

トヨタ自動車は、自社の温室効果ガス排出削減目標が、パリ協定の目標達成に貢献する科学的根拠に基づいていることを示すため、Science Based Targets initiative(SBTi) から目標の認定・承認を受けています。具体的には、2022年9月に、事業から直接排出される温室効果ガス(スコープ1)、他社から供給されたエネルギーの使用に伴う排出(スコープ2)、そして販売した製品の使用時に発生する排出(スコープ3) の削減目標について認定・承認を得ました。これは、トヨタが設定した環境目標が、国際的な基準に照らして野心的かつ実現可能なものであると第三者機関が認めたことを意味します。このSBTiからの認定は、トヨタが気候変動問題に対して真摯に取り組んでいることの証であり、ESGにおける環境(Environment)側面へのコミットメントをさらに強化するものです。

参照元:環境方針 | サステナビリティ | グローバル | トヨタ自動車

株式会社セブン&アイのESG戦略

セブン&アイのESG経営成功戦略は、コンビニエンスストア事業を中核としつつ、環境問題や人権問題に真摯に対応することで、持続可能な成長を目指すものです。彼らの戦略は、事業の特性を活かした具体的な取り組みが特徴です。
まず、ステークホルダーとの対話を重視し、5,000人以上の利用客、ビジネスパートナー、フランチャイズ加盟店、従業員、株主・投資家を対象に調査と聞き取りを実施。これを通じて、小売業に関連する鍵となるマテリアリティ(重点課題)を洗い出しています。これは、対話を通じて信頼を築くという創業者の理念に基づいています。

7つの重点課題

セブン&アイグループは、持続可能な社会の実現に向け、事業活動における7つの重点課題を特定し、これらに取り組んでいます。これらの課題は、彼らの事業が社会に与える影響を包括的に捉え、戦略的に優先順位をつけたものです。具体的には以下の7つを掲げています。

地域社会:地域との連携強化や、地域課題の解決への貢献。

  • 安全・安心・健康: 顧客や従業員の安全・安心を確保し、健康的な生活を支援します。
  • 地球環境: 事業活動による環境負荷の低減と、持続可能な地球環境の保全に取り組みます。
  • 多様性: 多様な人材が活躍できる社会の実現と、企業内での多様性を推進します。
  • 働きがい・働きやすさ: 従業員が意欲的に働ける環境を整備し、ワークライフバランスの向上を目指します。
  • エシカルな社会: 倫理的な調達、公正なビジネス慣行を通じて社会の規範を遵守します。
  • パートナーシップ: サプライヤーや地域社会など、様々なパートナーとの協働による課題解決を推進します。


これらの重点課題は、セブン&アイがESG経営を推進する上での羅針盤となり、各取り組みの方向性を定めています。

参照元:7つの重点課題 - セブン&アイ・ホールディングス

多様性

セブン&アイグループは、「多様性」 を重要な経営戦略の一つと捉え、7つの重点課題の一つとして積極的に推進しています。これは、性別、年齢、国籍、障がいの有無、性的指向など、あらゆる違いを尊重し、多様な人材がその能力を最大限に発揮できる企業文化を醸成することを目指しています。多様な視点や価値観を取り入れることで、変化する顧客ニーズへの対応力や、イノベーション創出の可能性を高めることができると考えています。 例えば、「てるべリレー2024」のような取り組みを通じて、障がいのある従業員が地域社会と連携しながら、いきいきと働く機会を創出しています。これは、ノーマライゼーションの理念に基づき、障がいのある人もない人も共に暮らし、働くことができる社会の実現に貢献するものです。個々の能力を最大限に引き出し、自己実現を支援するだけでなく、地域社会との共生を深めることにも繋がっています。多様性は、企業の競争力を高め、持続可能な成長を支える重要な要素となっています。

参照元:てるべリレー2024 - セブン&アイ・ホールディングス

環境分野の四つの目標

セブン&アイグループは、地球環境の保全に貢献するため、2019年に具体的な「環境分野の四つの目標」を発表し、積極的に取り組んでいます。これらは、持続可能な小売業の実現に向けた彼らの強いコミットメントを示すものです。

  • CO₂排出量削減: 店舗でのソーラーパネル設置や節電機器の導入、100%再生可能エネルギーによる店舗運営の実証実験、RE100への加盟、EV(電気自動車)ステーションの試験設置などを通じて、サプライチェーン全体でのCO₂排出量削減を目指しています。
  • プラスチック対策: 包装容器の薄型化、別素材への変更(例:バイオマスプラスチックの利用)、店頭でのペットボトル回収機の導入、リサイクルシステム構築への貢献など、プラスチック資源の循環利用と削減を進めています。
  • 食品ロス・食品リサイクル対策: 冷蔵しても美味しさが続く米の品種開発、冷凍食品の種類増加、包装の気密性改善といった商品開発面での工夫に加え、店舗での発注精度向上や食品リサイクル推進などにより、食品ロス削減に努めています。
  • 持続可能な調達: 気候変動や世界人口増加といった課題に直面する中で、食品をはじめとする商品の持続可能な調達を重視しています。人権、労働、環境の各側面に関する課題について、第三者機関によるサプライヤーのCSR監査を実施するなど、サプライチェーン全体の透明性と持続可能性を高めています。


これらの目標を通じて、セブン&アイグループは利便性(コンビニエンス)の提供を持続可能なものにし、地球環境と共生するビジネスモデルの構築を目指しています。

参照元:株式会社セブン&アイのESG戦略 - 7andi.com

ESG経営を実践するためのステップ

ESG経営を企業に導入し、その恩恵を最大限に引き出すためには、体系的なステップを踏むことが重要です。ESG経営を実践するための主要なステップをご紹介します。

重要課題の特定

ESG経営の第一歩は、自社の事業活動と関連性の高いESG課題、すなわちマテリアリティ(重要課題) を特定することです。これは、外部環境(社会や環境の動向、国際的な枠組みなど)と自社の事業環境(業界特性、バリューチェーンなど)を詳細に分析し、自社にとって、特に重要なリスクと機会を洗い出すプロセスです。ステークホルダー(顧客、従業員、投資家、サプライヤー、地域社会など)との対話を通じて彼らの期待や懸念を把握することも、マテリアリティ特定の精度を高めます。これにより、どこに経営資源を集中すべきか、明確な方向性を見出すことができます。

具体的な目標設定とロードマップの策定

特定したマテリアリティに基づき、具体的かつ測定可能なESG目標を設定します。例えば、「2030年までに温室効果ガス排出量を〇%削減する」「サプライチェーンにおける人権デューデリジェンスを〇%実施する」といった定量的な目標です。目標設定にあたっては、SDGsやパリ協定などの国際的な目標との整合性を図ることも重要です。次に、これらの目標を達成するためのロードマップ(行動計画) を策定します。誰が、いつまでに、何を、どのように実行するのかを明確にし、具体的なステップを定めることで、取り組みを具体的に推進できます。

戦略・行動計画の実行と組織体制の整備

策定したロードマップに基づき、具体的なESG施策を実行に移します。この際、ESGを経営戦略の中核に据え、経営層が主体的に関与することが成功の鍵となります。また、ESG推進のための組織体制を整備することも不可欠です。例えば、サステナビリティ担当部署の設置、役員レベルでのESG委員会開催、部門横断的なプロジェクトチームの編成などが考えられます。従業員一人ひとりがESGの重要性を理解し、日々の業務に落とし込めるよう、社内研修や意識啓発も並行して行います。

モニタリング・評価と改善(PDCAサイクル)

ESG活動は、一度実行したら終わりではありません。設定した目標に対する進捗状況を定期的にモニタリングし、評価することが重要です。KPI(重要業績評価指標)を用いて定量的に進捗を確認し、計画通りに進んでいない場合は、その原因を分析して改善策を講じます。このPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を継続的に回すことで、ESG経営の実効性を高め、より効果的な取り組みへと進化させることができます。

情報開示とステークホルダーとのコミュニケーション

ESG経営における重要なステップは、企業のESG活動に関する情報を透明性高く開示し、ステークホルダーと積極的にコミュニケーションを取ることです。統合報告書、サステナビリティレポート、企業ウェブサイトなどを通じて、特定した重要課題、目標、具体的な取り組み、その進捗と成果を詳細に報告します。投資家、顧客、従業員、取引先など、様々なステークホルダーとの対話を通じて、企業のESGへの真摯な姿勢を伝え、信頼関係を構築します。これにより、企業価値向上、資金調達の優位性、優秀な人材の確保など、ESG経営がもたらすメリットを最大化することができます。

まとめ

ESG経営は、現代企業にとって単なるトレンドではなく、持続可能な成長と長期的な企業価値向上を実現するための不可欠な経営戦略です。

環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の各要素を経営戦略に深く組み込むことで、企業は気候変動や社会課題といった様々なリスクを軽減できるだけでなく、再生可能エネルギー技術の開発や多様な人材活用など、新たな事業機会を創出し、イノベーションを促進することができます。これにより、投資家からの評価が高まり、資金調達が有利になるほか、ブランドイメージの向上や優秀な人材の獲得にもつながります。

また、ESGは、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標) と密接な関係にあります。SDGsが「目指すべき目標」であるのに対し、ESGは企業がその目標を達成するための「具体的な手段や評価軸」として機能します。ソニーの「Road to Zero」やトヨタ自動車の「トヨタ環境チャレンジ2050」、セブン&アイの「7つの重点課題」と「環境分野の四つの目標」といった具体的な企業事例は、それぞれが持つパーパスや事業特性を活かし、ESGを経営戦略の中核に据えることで、社会貢献と企業成長の両立を実現していることを示しています。

ESG経営を実践するためには、自社の重要課題(マテリアリティ)を特定し、具体的な目標を設定、計画を実行し、その進捗をモニタリング・評価するPDCAサイクルを回すことが不可欠です。そして、これらの取り組みを透明性高く情報開示し、ステークホルダーと積極的にコミュニケーションを取ることで、企業の信頼性と持続可能な競争力を高めることができます。

これからの時代において、ESG経営は企業が社会から選ばれ、持続的に発展していくための羅針盤となるでしょう。

こうしたESG経営の実践には、社内外のステークホルダーとの円滑な情報共有や、双方向のコミュニケーションが不可欠です。その基盤を支えるツールとして、ESG推進をサポートする「CommuRing(コミュリング)」の活用が注目されています。

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執筆者情報:

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株式会社ユニリタ DXイノベーション部

取引コミュニケーションツール「CommuRing」のプロモーション担当チームです。
コミュニケーション情報を蓄積・共有・活用するシステムに長年携わってきたメンバーが、取引先・多拠点の管理に課題を持つ方に、役立つ情報をわかりやすく発信することを心がけています。

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