成功に導く動画を用いたナレッジ共有を解説!
「ナレッジ共有は行っていても動画で共有をするのは大変!」、「そもそもナレッジ共有自体を十分行えていないのに動画で共有となると更にハードルが高くなる・・・」と思っていませんか?
例えば
- 操作系のナレッジコンテンツ(ドキュメント)を作成したけど、読んだ人から具体的な操作が理解できずに問い合わせが来る
- 職人的な技術やスキルを形式知化できず、ナレッジ化できていない
といったようなケースは、動画を用いたナレッジ共有のチャンスです。
はじめから完成度の高い動画を目指すと、いつまでたってもはじまりませんし、浸透しません。ポイントを押さえて小さく動画作成をはじめてみると案外と活用できるものです。
本記事では、ナレッジ共有に動画を活用するメリットやポイントについてご紹介していきます。
目次
ナレッジの種類
まずは、動画に限らずナレッジについて話を進めるうえで基本となるナレッジの種類について確認していきます。人が持っている情報やノウハウといったナレッジは、「暗黙知」と「形式知」に分けられます。
- 暗黙知:言語化が難しい技術やノウハウを指します。
経験則に基づくノウハウや実務を遂行することで身につけたスキルなどがこれにあたります。 - 形式知:言語化できるナレッジを指します。
暗黙知を他者や組織で活用できる形に言語化・図式化することを「形式知化」と言います。
個人の中にある「暗黙知」を誰もが再現できるよう「形式知」に形を変えることで、知識・技術の体系化が可能となります。
暗黙知を形式知に変換するフレームワークとして、「共同化」「表出化」「結合化」「内面化」の4つのプロセスで構成される「SECI(セキ)モデル」が有名です。
ナレッジ共有の必要性とメリット
ナレッジ共有は、社内はもちろん取引先にも活用できる機会が多くあります。
しかしながら、ナレッジ共有をスムースに進めるためには、従業員の協力が必要となります。このため、従業員に必要性への共感やメリットの理解を得ることが重要です。
以下に、主な必要性、メリットについて記載します。
ナレッジ共有の必要性
- 属人化防止
ノウハウが特定の社員に偏っていると、社員が退職や異動したときの業務遂行のリスクが高まり会社として顧客の信頼を失うことにつながる恐れがあります。 - 業務効率化
過去事例や問い合わせを共有することで重複や無駄な作業が削減でき、効率化につながります。また、取引先やパートナー企業にとっても、時間と場所から解放され自身の都合に合わせ、より早く必要なノウハウを習得することにもつながります。 - 教育コスト削減
繰り返し行われる教育に掛かる側の時間や経費を削減できます。 - 組織の一体感
ナレッジ共有は従業員が共通の言語や理解を得る手助けとなり、一体感を醸成します。共有された知識により、組織文化形成につながります。 - パートナー企業や取引先とのコラボレーション促進
パートナー企業や取引先との協業に取り組むにあたり、適切なナレッジ共有は協業相手の自社に対するロイヤルティ(Loyalty)を高めることにつながります。
ナレッジ共有のメリット
- 業務引き継ぎの円滑化
属人化しないようナレッジ共有することで、引き継ぎ時に伝達する情報を整理しやすくなり、引き継ぎ作業の手間や時間の削減につながります。 - 生産性向上
ナレッジ共有による業務効率化によって生産性向上が期待できます。
また、商品やサービスの紹介、取扱い説明などを動画化することで、これまで取引先やパートナー企業へ訪問して行っていた作業の生産性向上も期待できます。 - ファン増加
サービス品質や対応品質の向上により、取引先の満足度、信頼度を高めることができます。 - イノベーションの創出
組織全体で知識が共有されれば、新しいアイデアやイノベーションが促進され、成長に寄与します。
動画を用いたナレッジ共有
前述した「形式知」は、ワークフローやマニュアル、Wikiを用いて共有しやすいナレッジです。しかしながら、「文章や図で構成されたマニュアルを見ても、なかなか理解が進まない(イメージしづらい)」ということもよく耳にします。また、「形式知化」しづらい「暗黙知」をどう共有するかも大きな課題です。
このようなケースには、動画を用いることでより伝わりやすい情報共有が可能となります。
ここから、動画を用いたナレッジ共有にフォーカスしていきます。
動画でナレッジ共有を行うメリット
テキストや画像のマニュアルに比べ、動画にすることで情報量を大幅に増やすことができます。以下に、ナレッジ共有を動画で行うメリットについて記載します。
- 視覚的理解の促進
情報をビジュアル化することで、抽象的な情報をより具体的に伝えることができ、視聴者の理解を促進します。 - 複雑なプロセスの伝達
複雑なプロセスや手順を実演して伝えることに適しています。商品の操作やデモンストレーションを通じて理解が促進されます。言葉にするのがなかなか難しい職人の技なども動画を用いることで複数の角度から見せる、手元を見せる、スローで見せる、音を聞かせるなどにより伝わりやすくなります。 - 感情や雰囲気の伝達
映像に音声を乗せることで、感情や雰囲気を効果的に伝える手段となります。これにより、重要なポイントなどを伝えやすくなります。 - 再現性を高める
繰り返し実施するセミナーや研修を動画にすることで、どの回に参加しても同じ内容を受け取ることが可能となります。 - 時間と場所を問わない
集合研修では、講師側も受講者双方の時間と場所を拘束します。リアルに集まって実施しなくてもよい内容であれば動画にすることで「時間」と「場所」という制約から開放することができます。 - 効率的な学習
視聴者のペースで学習することができます。1時間のセミナーを1.5倍速などで視聴することで3分の2の時間で学習することが可能です。なお、倍速再生は視聴者の集中力を高める効果もあり、より質の高い学習の手助けとなります。また、重要なポイントを繰り返し学習することが可能となります。
動画でナレッジ共有を進めるうえでのポイント
ここでは、動画でナレッジ共有を進めるうえでのポイントについて記載します。
- 目的を明確にする
- 短い動画を心掛ける
一つの動画に沢山詰め込みたくもなりますが、マニュアルであれば章や節を分けるように動画を分けることで作成する側は作成しやすく、視聴する側は視聴しやすくなります。 - アウトプットのハードルを下げる
動画制作に時間が掛かってしまうと動画投稿の継続率を低下させてしまいます。有償動画や職人の細かな作業を伝えるような動画であれば別ですが、そうでなければ、まずは気軽にはじめるのがよいでしょう。 - 効果が高いものからはじめる
動画でナレッジ共有をはじめるにあたり、まず見てもらう環境を作ることが重要となります。このため、公開する動画の内容に関しては、多くの人が必要とするコンテンツからはじめると効果的です。 - 検索性を設計する
文章マニュアルは文字列で検索が可能ですが、動画の場合検索性に劣るのは事実です。これを補うためにも以下のように検索性を工夫する必要があります。
・検索しやすい単位で動画を分割する
・動画のタイトル検討時に検索キーワードを意識する
・動画を階層化したカテゴリなどで分類することで利用者が探しやすくする
・動画ツールの特性を踏まえてタグ付けする
・古い動画は削除するか、カテゴリやタグで古いことが判断できるようにする
・情報の鮮度を示すために公開からの経過年月が分かるようにする - 称賛・評価
動画作成ナレッジ共有に対する称賛・感謝の可視化を考えましょう。 - タイトルを工夫する
興味を引くタイトルや動画のサムネイルを心掛けましょう。 - 動画ナレッジ推進者を決める
推進者は必須です。動画作成・掲載に向けた方針やスケジュール、簡単な動画編集ができる方を推進者とするのがよいでしょう。 - 質問やフィードバックの場を用意する
動画視聴となるとリアルタイムな質問やフィードバックを得る機会を失うことにもつながります。このため、質問やフィードバックを受ける場を用意することをおすすめします。
動画共有に使用するツール
動画でのナレッジ共有を進めるうえで欠かせないのがツールの活用です。
動画撮影
無料で撮影に利用できるツールをいくつかご紹介します。
- セミナーやPCツール操作
リモートでの会議や商談一般的になったことで、多くの企業でWeb会議ツールが利用されています。多くのWeb会議ツールには録画機能が備わっているので、画面共有を行い簡単に録画可能となっています。
また、Windowsの標準ツール(Xbox Game Bar)や、Microsoft ClipchampでPC上の操作を録画することも可能です。 - スマートフォンやタブレット端末
機械の操作や作業風景などはスマートフォンやタブレット端末で簡単に動画撮影が行えます。
その他有償ツールもありますが、機能が足りないというときに利用を検討する程度でよいかと考えます。
動画編集
凝った編集を行うか否かで編集ツールを選定するのがよいでしょう。
- Windows標準ツール
MicrosoftフォトやMicrosoft Clipchamp(無料利用制限あり)が利用できます。高度な編集ツールは搭載されていませんが、基本的な機能を使って動画編集をするのであればこれで十分です。 - 有償ツール
凝った編集を行いたい場合は、有償ツールをご検討ください。操作もしやすいものが多くあります。 - その他
スマートフォンであれば、iMovieやGoogle フォトが利用できます。PCであれば無料で利用できるオープンソースのHandBrakeなどもあります。
動画配信ツール
作成した動画を配信(共有)するツールもさまざまです。企業利用ではより厳格なセキュリティ、細かい権限管理機能、柔軟な運用に耐えうるツール選定が必要となります。
また、動画配信システムには、オンプレミス型システムとクラウド型システムがあります。運用に掛かる人的負荷や動画視聴状況の把握など動画配信に求める条件を整理したうえでのツール選定が必要です。
企業間での動画共有におすすめのツール
CommuRing(コミュリング)は、動画配信に利用できるツールです。企業間で動画を共有することを考えた場合、セールスマテリアルとしての動画やサービスの教育、サポート、カスタマーサクセスツールの一つとして動画を共有する際に付随した各種やり取りがあり、動画だけを共有するというシーンは稀といえるでしょう。
例えば、新しい動画の公開を必要な人への周知、視聴した動画に関する質問やフィードバックなどコミュニケーションが発生します。また、共有する対象が動画だけではなく、各種ファイル類(電子媒体)の受け渡しなど多岐にわたります。
CommuRingは、ここまで説明してきた動画配信(共有)だけでなく、ファイル共有やビジネスチャット、取引先への周知情報の発信やアンケート収集といった企業間のコミュニケーションに必要な機能をオールインワンで提供しています。
ユニリタでは「ユニリタアカデミー」という参加自由形のスキルアップ勉強会を定期的に実施しています。業務都合などリアルタイムで参加できない人のために、すべてのアーカイブ動画をCommuRingでカテゴリ分けし、従業員であれば「いつでも」「どこでも」「何度でも」視聴できるようにして活用しています。
まとめ
動画を活用したナレッジ共有はより多くの情報を分かりやすく伝える手段として有効です。社内のみならず、取引先やパートナー企業といった社外との情報共有ツールとしても大いに活用できます。
これからナレッジ共有に動画を活用しようと考えている企業の方は、適切なツール選定はもちろん動画活用の目的を明確にし、従業員の協力を得られる環境を作りと効果を得やすいよう小さくはじめるなど、ポイントを押さえて進めることで成功の確率を高めることができます。
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執筆者情報:
ユニリタCommuRingチーム
株式会社ユニリタ DXイノベーション部
取引コミュニケーションツール「CommuRing」のプロモーション担当チームです。
コミュニケーション情報を蓄積・共有・活用するシステムに長年携わってきたメンバーが、取引先・多拠点の管理に課題を持つ方に、役立つ情報をわかりやすく発信することを心がけています。